●埼玉県教職員組合は、労働組合は次の3原則を保持しなければならないと考え、この立場から運動をすすめています。
①資本(公務労働者の場合は行政機関)からの独立
労働組合の中には、労働者の権利を守るためでなく、会社の意向を代弁させるために存在しているのではないかと思われる組合もあるようです。労働組合存立の大前提は、「労働者の利益を守る」ことにあります。このことは、「労働者の権利や利益さえ保護されれば後はいっさいお構いなし」という立場とは無縁のものであることも付言します。
②政党からの独立
労働組合は政党ではありません。政党は政治的信条を同じくする人々によって組織された集団ですが、労働組合は同じ要求を持つ労働者によって組織された集団です。したがって、労働組合においては、個々の組合員の政治的信条、政党支持の自由が保持されなければならないのは当然です。選挙にあたって組合員に特定の候補者のために活動させたり、労働組合が組合費等を充当することが許されてはなりません。
労働組合の中には、こうした原則を無視して、組合員に選挙活動を強制したり、政党への政治献金をしている組合もあるようですが、私たちはこうした態度を一貫して批判してきました。なお、組合員が一人の市民として、自らの政治信条にもとづいて活動をすることが保障されなければならないことは言うまでもありません。
③一致する要求にもとづく行動労働組合は組織を構成する組合員の一致する要求あるいは大会における多数意見で決定した方針(要求)にもとづいて行動する組織です。しかし、みんなで決めた方針であっても、組合員はそれぞれの生活条件等が異なりますので、活動は理解と納得のもとにすすめられるべきです。一方、一致する要求といっても、教育実践にかかわる指導方法等について組織的統一を図るという方針は労働組合としてとるべき態度ではないと考えています。したがって、組合として特定の教育理念や指導方法を押しつけることは間違いだと考えています。